2018年12月31日、インドネシア金融サービス庁(OJK: OTORITAS JASA KEUANGAN )は、ITベースの株式発行を通じた資金サービス(エクイティ・クラウドファンディング)に関する金融サービス庁令2018年37号( PERATURAN OTORITAS JASA KEUANGAN REPUBLIK INDONESIA NOMOR 37 /POJK.04/2018 TENTANG LAYANAN URUN DANA MELALUI PENAWARAN SAHAM BERBASIS TEKNOLOGI INFORMASI (EQUITY CROWDFUNDING) )を制定し、同日付で施行しました。
この金融サービス庁令により、エクイティ・クラウドファンディングが法制化され、 エクイティ・クラウドファンディングに用いられるサイト等のプラットフォーム運営者、投資家、株式発行者(特に、 スタートアップ段階にある企業)は、法的確実性をもって、エクイティ・クラウドファンディングにより資金調達を行う道が開けました。
同令1条1項は、「ITベースの株式発行を通じた資金サービス(エクイティ・クラウドファンディング)」を、公開の電子ネットワークシステムを通じて投資家に直接的に株式を販売するために発行会社が行う株式発行サービス、と定義しています (意訳)。
かかるエクイティ・クラウドファンディングに係るサービスを提供するために、エクイティ・クラウドファンディングに用いられるサイト等のプラットフォーム運営者(最低払込資本金25億ルピア)は、OJKから許可をとる義務がります(同令7条)。
OJKは、情報の透明性、信頼性のあるウェブサイトやITシステムの確立などの観点から、エクイティ・クラウドファンディングを監督します。
また、インドネシアで、エクイティ・クラウドファンディングにより株式を発行できるのは、当然、インドネシア法人(株式会社)のみです(同令1条6項)。
同令第5条は、次の3条件を満たす場合は、エクイティ・クラウドファンディングによる株式発行は、キャピタルマーケット法1995年8号の定める公募発行に該当しないとしました。
(1)OJKから許可を得た運営者を通じた株式発行で、
(2)株式発行が12か月以内に実施され、かつ
(3)調達合計額が最大100億ルピア(OJK通達により異なる額となりうる)
また、同第6条は、以下を条件に、発行会社はキャピタルマーケット法上の公開会社にはならないとしています。
(1)発行会社の株主が300人を超えず、かつ
(2)発行会社の払込資本金が300億ルピアを超えない。
大学時代から自分でビジネスを始めているという、若いインドネシア人の友達が多いのですが、彼らもクラウドファンディングなど行っていくのでしょうか。
彼らの動向が楽しみです。そのうち、インドネシアから日本への進出などの話もあるかもしれませんね。
なお、上記は、筆者の見解を交えた説明であり、個別事例への適用については一切の責任を負えません。個別事例への適用については、別途、ご相談ください。
P.S. 写真は、プラウスリブのセパ島で撮影。
弁護士 味村祐作
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