弁護士 味村祐作の公式ブログ

インドネシア首都移転計画に絡む詐欺に、ご注意

4月29日、インドネシア政府が、首都をジャカルタからジャワ島以外に移転すると閣議決定した旨、報道されており、日本の新聞でも日本経済新聞はじめ各紙が報じています。ネットでも、ヤフーニュースのトップに出たりして、話題になっているようです。

ただ、個人的には、首都移転の話は、あまり真に受けない方がいいと思っております。

実は、この話題は、以前からあるのですが、一向に進んでおりません。。。

例えば、2015年に、私が首都移転候補地の一つであるカリマンタン島のパランカラヤを旅行した際にも、地元民から、パランカラヤに首都が移転する計画があるという話を聞きました。その後、1度か2度、首都移転の話題が、インドネシア国内でニュースになったと記憶していますが、実際に話は進まず、現時点に至っていることはご存知のとおりです。

首都移転には、5~10年はかかると報じられているところ、再選確実のジョコ・ウィドド大統領の次期任期(5年)中に、首都移転が実現することは、時間的に難しいでしょう。 

また、ジョコ大統領により首都移転に向けた方向性が決められても、次の大統領が、その方向性を維持するかは定かではありません。

このようなニュースをみて、弁護士として懸念するのは、インドネシアの首都移転にまつわる詐欺事件の発生です。

例えば、インドネシアの政治家・政府高官とパイプがあり、首都移転先が確定した旨の情報を得ているので、それに基づき、公表前に、近辺の土地を購入すれば、多額の利益が見込めるなどといったストーリーが考えられます。

ちなみに、インドネシアでは、外国人に土地所有権の保有は認められていないので、土地「所有権」に係る外国人向けの投資話はすべて詐欺と言えます。

他方で、建設権、使用権などであれば、外国人でも土地の権利を取得することは可能です。

インドネシアの不動産利用制度については、JETROの調査報告が参考となります。

インドネシアでも、土地の登記制度は存在するのですが、日本とは異なり、現時点では、一般に土地の登記情報は公開されておらず、土地情報については、権利者から入手するほかありません。

特に首都移転先候補地とされるようなジャワ島以外の地方の土地については、登記されていないこともあり、また慣習法(アダット:Adat)により規律される入会地のような土地もあって、権利関係が不明確・複雑なことがあるので、特に注意が必要です。

インドネシアで、土地に関する権利を取得する場合には、事前のデュー・デリジェンスが必須でしょう。

また、実際に自ら足を運んで、どのような土地か、周辺状況も含めて、確認することをお勧め致します。

P.S. 写真は、首都移転先候補の一つとされているカリマンタン島のパランカラヤからバンジャルマシンをつなぐ道(Jalan Trans Kalimantan)で撮影したものです。この道路は、Sebangau National Parkの端っこを通っており、周りは泥炭地で、ベタ(鑑賞魚)が生息しているとのこと。

弁護士 味村 祐作

コメント

  • コメント (2)

  • トラックバックは利用できません。

    • たけだ
    • 2019年 6月 25日 11:39pm

    情報は公開されてらおらずでTypoだと思います。

    外国人土地所有権保有は認められないことを初めて知りました、勉強になりました。

      • yuusaku
      • 2019年 6月 26日 11:36am

      たけだ様 ご指摘ありがとうございます。修正しました。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

法務相談・お問い合わせはこちら


あみた綜合法律事務所

弁護士 味村 祐作

03-3254-0461

専用フォームはこちら

インドネシア提携先


Luhut Marihot Parulian Pangaribuan (LMPP) Advocates and Counsellors at law

https://lmpp-law.com/

Asshiddiqie, Pangaribuan & Partners (APP)

http://applawfirm.net/Site/our-lawyers/

業務提携


さやか行政書士事務所

https://sayaka-office.com/

最近の記事

  1. EMS事情

    2020.09.5

カレンダー

2022年9月
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930  
PAGE TOP