「外国人労働者が就任可能な役職に関する労働大臣決定2019年228号」が、2019年8月27日に制定され、同日付で施行されました。
内容は、以下の通りです。
第1 外国人労働者が就任可能な役職は、別添のとおり。 第2 法令に抵触しない限り、外国人労働者は、人事業務を取り扱わないコミサリス又は取締役の役職への就任を許可される。 第3 大臣又は指名を受けた役人は、別添に記載されていない役職での外国人労働者の雇用を許可することができる。 第4 外国人労働者が就任可能な役職及び条件は、最短2年ごと又は必要に応じて、評価される。 第5 本大臣決定が施行された場合、既に雇用者が保有する外国人労働者雇用許可は、依然として、有効期限が終わるまで効力を有する。 第6 本大臣決定施行時に、a~t(略)の各労働大臣決定は失効する。 第7 本大臣決定は、制定時に効力を有し始める。 |
以下、簡単にコメントです。
(1)別添に掲載のない役職でも、外国人労働者は就任可能?
第3によると、仮に別添に記載されていない役職でも、外国人労働者を雇用できる可能性はありそうですね。では、役人から、どうやって、この例外的な許可を得ることができるかは、実際にやってみないと分からないと思います。
この点、贈収賄に関与することのないよう注意が必要ですね。
(2)役職は2年間有効?
第4によると、2年ごとに外国人が就任可能な役職や条件が見直されるとのことなので、雇用主たる会社は、定期的に確認が必要になります。
(3)外国人のGeneral Managerは、人事業務を取り扱える?
別添には、複数の産業カテゴリーで、Manajer Umum (General Manager)の役職が見られますが、注釈がついているものがあります。
例えば、不動産業のGeneral Managerにはアスタリスク(*)がついており、「人事業務を含まない」との注釈があります。
また、飲料産業グループのGeneral Managerには、「人事と業務管理を含まない」との注釈がついています。
他方で、加工産業のうち、化学製品産業グループや織物産業グループなどのGeneral Managerには上記のような注釈がついていません。
本大臣決定だけからすると、注釈がついていないGeneral Managerについては、外国人労働者でも、人事業務を取り扱えるかのように読めます。
もっとも、労働法2003年13号第46条は、外国人労働者が人事業務を取り扱い、及び/又は大臣決定で指定する特定の役職に就くことを禁止している点に、注意が必要でしょう。
本大臣決定の上位法である労働法が、外国人労働者による人事業務の取扱いを明確に禁止している以上、本大臣決定に注釈がないとはいっても、外国人General Managerは人事業務を取り扱うことができないと考えるのが、法的に安全です。
※上記は、筆者の見解を交えた説明であり、個別事例への適用については一切の責任を負えません。個別の案件に関しては、別途ご相談ください。
P.S. 写真は、ジャカルタの日本大使館前の歩道です。この1年で驚くほど、街が整備されました。
弁護士 味村祐作
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